概要
開智学園には埼玉第一高等学校の後継校である高等部(3年制)と1997年よりスタートした中高一貫部(6年制)と2004年に開校し中高一貫部へ中学3年生で合流する総合部(小学校1年から中学2年まで)がある。2011年には東京大学に17名、早稲田大学・慶應義塾大学に総計214名の合格者を輩出した。
学校生活
高等部、中高一貫部、総合部には教育指針に違いがあることから、それぞれ別の校舎、カリキュラムのもとで指導が行われている。このため高等部に入学した生徒が中高一貫部に外進生として編入されることはない。文化祭や体育祭などの学校行事についてもそれぞれ別に開催する。部活動によっては、中高一貫部と高等部が一緒に活動することがある。
埼玉第一高等学校時代から使用されている校舎は現在中高一貫部が使用している。かつては高等部が使用していたが2009年に中高一貫部と校舎交代になった。1997年に中高一貫部が設置された時に新築された校舎は現在高等部が使用している。 総合部が設置された際に新しく総合部校舎が新築された。 総合部、中高一貫部、高等部のそれぞれが別々の校舎を使用する。ただし開智ホール、開智プラザ、体育館、食堂を含めいくつかの施設、教室は共用している。
総合部
2005年に新しく設置された小中高一貫のコースである。なお、中学3年生次にターシャリーとして中高一貫部に合流する。 児童生徒の学習発達にあわせて学年を従来の6・3・3制ではなく、4・4・4制を採用している。プライマリー、セカンダリー、ターシャリーと分かれており、校舎もそれぞれ別の棟としている(ターシャリーは中高一貫部校舎)。これは全国の私立小中高等学校の中でも初めての試みである。
小学生の通学には東岩槻駅、東川口駅、蓮田駅(東大宮駅経由)と学園間のバスを登下校時に利用することができる。
中高一貫部
1997年に埼玉第一高等学校の中に開智中学校として併設する形で開校した。この年以降埼玉第一高等学校についても開智高等学校と改称した。先端クラスと一貫クラスにコースが分かれている。「心豊かな創造型・発信型の国際的リーダーを育成する」ことを教育目標に、最難関大学への全員進学を目指す。教育の体制として、習熟度別をはじめとするきめ細かな教科学習、フィールドワークなどを伴う探求・発信型学習、生徒会・部活動などによる自主性育成の3つの柱を据え、難関大学に対応する「創造的学力」を養成する。また2014年春から増築校舎の運営が始まる。
東大や世界の難関大学進学をめざすクラスとして「先端創造クラス」(定員30名しかし最近は100名程度)、難関国立大および早慶大への進学をめざすクラスとして「一貫クラス」(210名。2010年度)を設置、いずれも6年間を2年ごとにステージ1~3に分けてカリキュラムを編成する。
放課後補習、夏期・冬期講習、英語・数学での少人数習熟度別授業など、徹底した指導により実力を養成。高校2年生からは先端クラス、一貫クラスの枠組みをはずし、志望校別のクラス編成によりさらに実践的な受験指導を行う。
フィールドワークを伴う探求・発信型学習では各自がテーマを決め、観察・実験・取材などを通して研究を行い、自ら考え自ら学ぶ創造的学力を養う。 進路指導も系統的にきめ細かく行っている。志望学部・学科を考える機会として4(高1)~5(高2)年生対象に「学部学科探究」を実施。これは東京外国語大学、埼玉大学、芝浦工業大学、早稲田大学、東京学芸大学などから講師を招聘する。
高等部
埼玉第一高等学校時代から存在し、現在の開智学園の源流である。現在の校歌は1999年に開智高等学校と改称された際に生徒により作曲されたことで知られている。 S類とD類に分かれており、カリキュラムや職員室もそれぞれの類型で別に用意されている。
3学期制。1年次はS類・特別選抜類・D類の3類型。東京大・一橋大など最難関大が目標のS類は3年間一貫したカリキュラム。特別選抜類とD類は2年次からⅠ類とⅡ類に分かれ、それぞれ理系・文系別に一橋大・東京工業大などの難関国公立大、慶應義塾大・早稲田大などの最難関私立大、立教大・中央大などの難関私立大を目指す。
S類は学年枠を柔軟に運用する「ステップ制」により、最も学習効果の高い教材を配置。平日は毎日7~8時限目に特別講座がある。特別選抜類とD類も1年次から特別講座を実施。S類は夏休みに、1・2年次合同の勉強合宿を那須高原で行う。特別選抜類とD類は1・2年次の夏休みに勉強合宿を実施。各類型とも長期休暇中に講習を行う。年間364日利用できる自習室がある。
1年次は4月にS類がスプリングセミナー、特別選抜類・D類がガイダンス合宿を実施。文化祭は5月(一般公開)、体育祭は9月に行われる。合唱祭、ロードハイク(1・2年次)もある。2年次のフィールドワークはS類がワシントン・NASA、特別選抜類とD類は国内、サンフランシスコの3コースから選ぶ。
同好会を含め23部ある。運動部は週4日、文化部は週1~4日程度、18時20分までの活動で家庭学習と両立させる。
沿革
1983年 - 埼玉第一高等学校(男女共学)が設立。
1997年 - 埼玉第一高等学校に開智中学校(中高一貫部)を併設。
1999年 - 開智中学校の生徒が高校進学するにあたり開智高等学校(中高一貫部)を開設。従来の埼玉第一高校は開智学園高等部となる。
2004年 - 開智小学校(総合部)を併設。
2006年 - 開智プラザ(自習室、会議室、プラザホール)を新設。
2006年 - 高等部にS類を設置。
2008年 - 総合部校舎脇に温水プールを設置。
2009年 - 中高一貫部に先端創造クラスを設置。
2011年 - 廃止された埼玉県立北川辺高等学校の校地を継承し、関連校の開智未来中学校・高等学校が開校。
2011年 - 4階建ての教室・宿泊室を備えた宿泊学習棟を設置。
2012年 - 高等部のコースである特別選抜類とA類をD類に改編。
進路
東京大学には1950年から2014年までに87名が合格し、東大合格者は県内9位である。2014年度は10名合格している。また私立大学は2014年度に慶應義塾大学43名、早稲田大学77名の合格者を出している。
アクセス
東武鉄道野田線東岩槻駅より徒歩15分
東岩槻駅・豊春駅からの距離はあまり変わらないが、通学路として歩道が確保できない、道が複雑に入り組んで分かりにくいなどのため、生徒が豊春駅を通学に使用することは禁止されている。しかし最近生徒会が豊春駅の使用を学校側に求めている。
著名な卒業生
古谷実(漫画家)
遠藤憲昭(アパレルプランド、デビロックプロデューサー)
武田幸三(K-1キックボクサー)
永岡歩(アナウンサー)
倖田李梨(AV女優)