概要
府立十三高女を前身とする東京多摩地域の都立高等学校である。2008年度から併設中学を3クラス編成し、併設型中高一貫制となる。定時制は2007年度から募集停止となった(2008年度から杉並区の荻窪高校内へ武蔵高校荻窪分校定時制課程として移転し、2010年3月に閉課)。学校群制度時代は三鷹高校と共に74群をなしていた。
「自主自律」と「文武両道」の精神が根付いた校風で、高校3年間は自由服など自由度は高く、行事や学校予算など、学校生活の大部分が生徒の自主性と裁量に任されている。部活動でも生徒の自主性が尊重されており、部活動加入率は100%近い(#部活動も参考)。2002年には校舎が建て替えられた。
中学1年次から習熟度別授業や少人数授業が多様されるほか、土曜日講習も月2回程度実施される。また高校1年次には勉強合宿が実施される。独自科目の地球学では、社会科学と自然科学を横断して地球上のあらゆる事象について学ばれ、教科の枠を越えた学習がされる。高校1年次は高入生と別クラス、高校2年次より混合クラスとなる。2007年度入試からは自校作成問題が3教科で実施されている。
入学者選抜で課される適性検査は他の公立中高一貫校と比較して問題量が多く、難易度も高めに設定されており、小石川と同じく、私立中学併願者が多いことをかなり意識した問題内容となっている。小石川・武蔵・両国で「都立中御三家」と称されることがある。
教育目標
豊かな個性、優れた知性
健康な体と心
向上進取の精神
名称
練馬区に私立の武蔵高校があり、同校と混同されることがある。武蔵野市内の都立高校には他に武蔵野北高校があるが、こちらは「野」が付いている。
沿革
1940年 - 1月12日、東京府立第十三高等女学校創立、4月10日に府立高等家政女学校(現東京都立鷺宮高等学校)内にて入学式を挙行
1941年 - 現校地に移転、東京府立武蔵高等女学校と改称。
1949年 - 東京都立武蔵女子高等学校と改称。
1950年 - 東京都立武蔵高等学校と改称、男女共学開始。
1952年 - 学区合同選抜制度導入。
1967年 - 学校群制度発足。三鷹高校と74群を組む。
1982年 - グループ合同選抜制度導入。同時に学区改編が行われ、第九学区・91グループに編成される。
1994年 - 単独選抜となる。
2000年 - 創立60周年。
2002年 - 新校舎完成
2003年 - 新グラウンド完成
2010年 - 創立70周年、中高6学年が揃う。
行事
三大行事として6月に音楽祭、9月中旬に体育祭、文化祭が行われる。これ以外にも地球学発表会、新入生歓迎会、遠足、球技大会、修学旅行などの行事がある。
地球学発表会
「地球学」で行った個人研究集大成として、中学3年次に中間発表が開催され、高校2年次に最終発表が開催される。大学レベルの論文を目標とする。なお、高入生は高校2年次の発表会に参加する。
音楽祭
武蔵高校伝統の行事である。たいていの場合、一学期の中間考査後に本格的に準備が始まり、生徒は朝練習や放課後練習など、生活の様々な時に合唱練習に打ち込む。本番は所沢市民文化センター ミューズの大ホールを利用して行われる。クラス発表と各部活の発表があり、最後にクラス発表に関連した表彰がある。音楽祭は音楽祭実行委員会(通称音実)によって夏から、つまり開催される前の年から打ち合わせを重ね企画されている。高校の衣装は各クラスによって大きく異なっており、曲に合わせてデザインされたものなど、特に高校3年生の衣装は非常に凝っている。
体育祭
夏休み前から準備段階に入り、夏休み後半に集中して練習がある。高校1~3年生を赤・青・黄・白・緑の5つの団に分け、団対抗で競技を行う。個人競技はなく、全員リレーや騎馬戦、棒倒しなど団体競技のみである。目玉競技はダンスであり、各団ごとにダンスを行う。男子のみを"カタ"、女子のみを"ギャルズ"、男女数ペアのものを"アトラク"という(カタ、ギャルズは全員参加だがアトラクは各団20組程度)。これは総合順位と別に順位と表彰がある。また、競技の他にも各団が前々から準備・作成する団旗があり、概ね2m×3mの布に絵が描かれたものである。これもまた、総合順位と別に順位と表彰がある[2]。中学のほうも3団に分けて行う。
文化祭
2日にわたって開催される。発表形式はクラスは展示と食品、部活は展示・舞台発表・競技実演・食品などがある。また職員劇もある。地域住民などの来客が多く、生徒以外が多くなるため、生徒は接客に奔走する。準備はたいていの場合、体育祭と並行して行われ、体育祭後に本格化する。
武蔵高校の文化祭実行委員会は通称文実(ぶんじつ)と呼ばれる。文実は、正式にはクラス文実と文化祭実行委員の2種類がある。ここで説明するのは「文化祭実行委員」の文実である。文実は委員長をはじめとする、以下に示す8つの班から成り立つ。文実は、各クラスから2人ずつ年度始めに選出されるが、前年度に文実だった者は、この各クラス2人に関係なく、文実になることができる。
活動期間は主に4月から文化祭当日までと、文化祭後の大きく分けて2つがある。前者の期間では、主に、文化祭当日へ向けた準備がなされる。また、後者の期間では、会計処理や総括の作成がある。これら、すべての活動は生徒が主体となって行われ、顧問はアドバイスをする程度に留まる。
企画班
各団体の出し物の管理をする。危険な出し物がないか、企画段階でチェックし、来校者の安全確保に努める。また、各団体で、装飾の行き過ぎを防ぎ、公平を期するため、装飾規定を定め、文化祭当日は、規定違反があった場合、警告する。
会場班
会場班の主な役割は、体育館や会議室の照明である。照明は原則すべて会場班が設置しており、その年によって、設置の仕方が微妙に異なる。また、会場班は、文化祭外でも活躍する、文実内唯一の班であり、ダンス部の公演の照明も担う。
後夜祭班
後夜祭の運営の全般を担う。通常、前年度文化祭経験者の内、会場班から1人のみ選抜される。普段は会場班として、この班の構成員は活動するが、後夜祭関係になると、会場班のサポートはあるものの、事実上1人で活動する。オーディションや、タイムテーブル等が主たる仕事となる。
会計班
各団体で使用する予算の管理を行う。クラス団体には15,000円、有志団体には3,000円が予算として提供される。これ以上の額は、各団体が支払うことになる。余った分は、返却する。予算として使用した分は、各団体が文実に会計を報告しなければならない。各団体からの会計報告をチェックし、最終的に生徒会に報告する。この予算で、文化祭の準備等に不必要な物を購入することを防ぐための基準等も会計班が決めている。また、会計報告は、文化祭後に行われるため、事実上、文実のなかで最後まで活動している班となる。
食品班
食品団体の調整や、売上金の管理などを行う。2006年は4つの団体が主食を提供した。
ゲート・PR班
ゲート班は、校門付近に毎年設置されるゲートのデザイン募集から、作製までの全工程を担う。PR班は、文化祭のポスターとパンフレットのデザイン募集から、作製までの全工程を担う。また、PR班は校内に、掲示される各団体のポスターの管理も行っており、各団体で掲示可能な、ポスターの枚数などを決めている。
物品班
文化祭で使われる、机、椅子や暗幕等の管理を行う。一番の大仕事は、文化祭前日と、文化祭後に行われる、物品移動と呼ばれる、机、椅子の移動である。武蔵高校の文化祭では、各クラス団体が、必ずしも、自分のクラスで出し物を出せるとは限らない。そのため、文化祭前日には自分のクラスから、出し物を行うクラスへ大移動を行う必要がある。その際に、事前に文実へ提出した使用希望の物品の移動を行う。移動は、混乱を避けるため、文実が放送によって指示を出している。
文実企画班
通称文企。文実3年生から構成される。特に、前年度、委員長や各班の班長だった人が中心となる。後夜祭において、文実からの出し物として、毎年、なんらかの出し物を行う。2006年には帰ってきた!!輝け☆第2回文化祭大賞の入賞団体発表、2005年は後夜祭のパンフレットの配布と来校者ヒアリングアンケート、2004年は輝け☆第1回文化祭大賞の入賞団体発表が行われた。
部活動
中高共にあるものは◎、中学単独のものは☆、高校単独はのものは◆を記してある。
体育系クラブ
陸上競技部◎
ラグビー部◎
硬式野球部◆
男子バレーボール部◆
女子バレーボール部◎
バドミントン部(男・女)◎
バスケットボール部(男・女)◎
ソフトテニス部◆
卓球部◆
水泳部◆
柔道部☆
山岳部◆
サッカー部◎
剣道部◎
硬式テニス部(男・女)◎
ダンス部◆
合気道部◆
文化系クラブ
合唱部◎
吹奏楽部◎
お菓子研究部◎
生物部◎
美術部◎
軽音楽部◆
茶道部◎
漫画研究部◆
室内楽部◎
パソコン部◎
天文部◎
演劇部☆
部(生徒会に付属)[編集]
放送部◆
編集部◆
同好会
演劇同好会◎
柔道同好会◆
委員会活動
委員会活動も生徒の自主性が重んじられており、盛んに行われている。ここでは高等学校の委員会活動について紹介する。
HR委員会
風紀委員会
厚生委員会
整備委員会
図書委員会
広報班
整備班
新入生歓迎会実行委員会(1年のみ)
部活班
当日班
冊子班
音楽祭実行委員会
体育祭実行委員会
文化祭実行委員会⇒#文化祭参考
選挙管理委員会
クラブ委員会(各クラブの代表者によって構成)
旅行委員会(臨時)
クラブ委員会を除き、基本的に各HRからそれぞれ2名が委員になる。
著名な卒業生
政治
高原須美子 - セ・リーグ会長、元・経済企画庁長官
土屋正忠 - 元代議士、元武蔵野市長
西川京子 - 元代議士、元厚生労働副大臣
朝木明代 - 代議士
清水庄平 - 立川市長
石川良一 - 元稲城市長
行政
寺田達志 - 地球環境審議官、元環境省地球環境局長
法曹
上村哲史 - 弁護士
金崎浩之 - 弁護士/定時制
学者
賞雅寛而 - 東京海洋大学教授
伊藤智義 - 千葉大学教授・漫画原作者
文化
是枝裕和 - 映画監督
田中泯 - 舞踏家
石垣和代 - バレエ
岩本敬子 - 『窓ぎわのトットちゃん』の編集者
福間洸太朗 - ピアニスト
大宅裕 - ピアニスト
安食総子 - 女流棋士
樹林伸 - 漫画原作者
スポーツ
前田和明 - 元サッカー選手
芸能
河原崎長一郎 - 俳優
岩下志麻 - 女優
岡野進一郎 - 俳優
宮之上貴昭 - ジャズギタリスト
放送・ジャーナリスト
竹内恒雄 - 自由報道協会ジャーナリスト・音楽ジャーナリスト
奥寺健 - フジテレビアナウンサー
森本健成 - NHKアナウンサー
吉崎典子 - フジテレビアナウンサー
掛貝梨紗 - フリーアナウンサー
交通アクセス
JR武蔵境駅北口より徒歩10分、又はバス「武蔵高校前」下車すぐ。